『GIRLS / フジファブリック』 | My Wonderful Music Life

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コンセプトミニアルバムとして”BOYS盤”、”GIRLS盤”と連作でリリースされると発表された今年の年明けから約10ヶ月。2作目である『GIRLS』が遂にリリースされました。

この作品は賛否両論のようですね。特に初期のフジファブリックを好きなファンの人たちには受け入れ難いようで、正直ファンが見ても辛い酷評も目にするのですが、恐らくそれも覚悟の上で作られ、リリースに至ったものだと僕は思っています。

そして、何よりも注意すべきは”コンセプトアルバム”であると言う点。オリジナルアルバムでもコンセプトに沿って作られたものなので、これを今のフジファブリックの全てと決め付けるのは早計であると思います。

とはいえ、今の彼らの位相、立ち位置を感じることはできる一枚ではあります。実にキャッチーでポップな方向性ですが、僕はこのアルバム、凄くいいアルバムだと思います。

歌詞は『BOYS』にも増してストレートなラブソングが多く、メロディーの美しさが際立ったミディアムテンポの曲調がなんとなく秋や冬を感じさせます。女性をイメージしたソフトな詞の世界観とそれに寄り添うような優しい曲、そして奇抜すぎないアレンジ、でもどの曲にもフジファブリックらしいクセが入っていて、あっという間に5曲を聴き通せてしまいます。

山内総一郎のボーカリストとしての魅力はまた一段と増したと感じました。そういえばNHKの『The Covers』で竹内まりやの「純愛ラプソディ」を演奏していたのですが、これが本当に良くて、今度は個人的にカバーアルバムとか作って欲しいなとか思ったりもしたりして、そのくらい彼のボーカル力の高さをここ最近感じてます。

声質を生かしたバラード曲「夜明け前」と「BABY」、キラキラなポップチューン「Girl! Girl! Girl!」この三曲はいかにも総君らしい楽曲ですが、そこに加藤さん作「キノウ」とダイちゃん作の「裸足のバレリーナ」がいいスパイスを加えてくれています。特に「裸足のバレリーナ」はダイちゃん作の楽曲の中でも特に好きになりました。実はこのアルバムの芯を担っているのかも、と感じるくらいに。彼のキーボーディストとしての魅力は言うまでも有りませんが、作曲者としても凄い実力の持ち主なのだと改めて感じさせられました。

いずれにせよ、いろんな意見が出る事を覚悟しながら、あえてまた新しい一面を見せてくれた彼ら。まだまだこれは通過点に過ぎないと思っています。この次はどんな楽曲を携えて僕らを驚かせてくれるかも楽しみですが、まずはこのアルバムの楽曲たちを『BOYS』の楽曲と共に楽しみたいと思います。




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